出張者:森山きよみ・平山タカヒサ
【日程】 平成30年1月24日 午後1時50分~午後3時15分
【場所】 宇都宮市議会 3階会議室
【対応者】 宇都宮市 都市整備部 市街地整備課 企画グループ 係長
都市計画課 都市計画グループ 主任技師
市街地整備課 技師
【調査内容】 立地適正化計画に基づく支援制度について
(1) 宇都宮市の概要
総人口の減少予想
平成29年をピークに減少
(2016年:約52万人 2050年:約45万人)
公共交通の利用者数の減少
高齢者の交通事故等の状況
①高齢者の事故が高齢化率より高い上昇率
②運転免許自主返納状況は4年間で2倍
地方創生 人口の自然動態・社会動態、都市基盤の形成
(2) ネットワーク型コンパクトシティについて
市内の各地域に拠点を定め、各拠点を交通ネットワークで結ぶ
市街地部と郊外部にある、各拠点が持つ特性がバランスよく調和した街
≪交通ネットワーク≫
基幹公共交通(鉄道・LRT、路線バス)
高規格道路 道路ネットワーク(3環状、12放射道路)
≪拠点≫
都市拠点 都市拠点圏域 地域拠点(市街地部 郊外部)
産業拠点 観光拠点
(3) 立地適正化計画について
都市機能誘導区域の配置
①交通結節点等10か所
②市街化調整区域に地域拠点7か所配置
高次都市機能地域等に対する誘導施設の対象と施設の概要
国の施策 税制・金融・都市計画
市独自の施策(今回調査した項目)
(4)具体的な支援制度について
都市機能誘導区域内において対象施設を新築・増改築した事業者に対して施設整備費の10%
都市機能誘導区域1億円
高次都市機能誘導区域3億円 限度
※条件:市税の滞納がない事 10年以上対象施設を運営する事
(5)その他
宇都宮市では、今後LRTを導入することになっているとの事
市街化区域と市街化調整区域の接するところでは、鹿児島市と同 様に様々な問題が生じている事
【所 感】
鹿児島市と宇都宮市とでは、土地の形状が基本的に違う事が都市基盤の整備において考え方が違ってくることを痛感した。例えば宇都宮市は広大な盆地で8割が平面の地形であるため中心市街地部分から交通網が放射線状にひかれている事、また、環状線が3段階に広がっており交通網が整備されているために、本市の立地適正化計画と宇都宮市の計画との考え方の差異が大きかった。例えば本市では、16の団地核を設定しそこに半径五百メートル圏域から徒歩で生活をすることを目的に誘導施設と交通手段を整備していく考え方であるが、宇都宮市では、交通結節地点を核として誘導施設を配置していく考え方である。また、市街化調整区域においては、本市では、既存の商店等を中心に集落核を中心に施設を誘導していく考え方だが宇都宮市では、合併前の旧町村の役場を中心に集落の核を設定しそこに小さな施設を誘導していく考え方である。
宇都宮市では、今回補助制度を設け3~4か月かけて医師会や宅建協会等関係団体や機関に説明をした。しかしながら、現時点では、未だ一件の申請がないとの事。このことから考えるに立地適正化計画を策定しても人が集まる効果的な具体的施策を設定することは非常に難しい事も実感できた。鹿児島市も現在建設局、都市計画部を中心に具体的な施策の検討に入っていると仄聞しますが、今回の視察を活かして、鹿児島市の現状に合った実効ある施策を検討するよう当局に要請していきたい。