視察報告-岡山

出張者:森山きよみ

【日程】   平成29年 1月31日 午前10時~12時20分

【場所】   岡山県立図書館

【応対者】  岡山県立図書館  
             館 長  村木  生久
             副館長  嶋田  健一郎

【調査事項】
       1、図書館運営の基本的あり方
       2、図書館協議会について
       3、県立図書館の特徴
       4、レファレンス大賞文部科学大臣表彰について

【具体的調査内容】
 1、図書館運営の基本的あり方について、村木館長から説明を受ける
  ①県民に開かれた図書館
  ②県域の中枢となる図書館
  ③調査・研究センターとしての図書館
  ④デジタルネットワークに対する図書館
  ⑤資料保存センターとしての図書館 
 の5つの基本的性格と
  ①子ども読書プログラム  
  ②おかやま情報発信プログラム
 の2つの重点プログラムを設定し、現在第三次中期サービス目標(H28年度からH32年度)実施中

【図書館協議会について】
 平成16年に条例制定後平成24年に追加条例 追加条例の経緯については、協議会委員の基準を定めた方が良いのではないかとの判断から第二条に基準を設ける。


【県立図書館の特徴について】
 老朽化した複合施設の一角にあった当時図書館を平成16年に旧市立中学校の跡地に建設された岡山県立図書館は、全国の県立図書館の中で最も来館者数が多い館で、個人貸し出し冊数も最も多い館である。また、蔵書も230万冊あり、そのストックの方法や管理についても集密書庫(110万冊)自動化書庫(40万冊)と他の図書館と比較しても群を抜いている。その具体的方法として「新刊図書の積極的購入」(平成26年度までは、新刊図書の70%購入)「新刊児童図書の全店購入」を行っているとの事。また全て地元の書店からの購入をしており地元の書店との共存の姿勢がとても良い。
 
【レファレンス大賞文部科学大臣表彰について】
 本年度2回目の「地方創生レファレンス大賞」で文部科学大臣賞を受賞した内容経緯については、「中山間地域の産業を応援!」岡山県小田郡矢掛町の「干し柿の活性化」の地域支援を県立図書館の主題別6部門の郷土資料班が専門性の高い、例えば「干柿の生産過程で出る柿を有効活用する方法はないか」等レファレンスに対応しその結果、地元では新商品の「柿ようかん」が作られ近く販売にこぎつけるとの事。
 レファレンスの質の高さは、どのようになされたのか。学ぶべきところがある。とりわけ、レファレンスを行う職員、窓口で対応する職員は、全て司書の資格を有している者であり、それが条件で雇用しているとの事。また、機会あるごとの研修体制もさることながら、6部門で構成されるサービス一課・二課の組織的対応が、お互いの資質向上につながっていることも学ぶところが多い。
 「地方創生」という現下の喫緊の課題に対して図書館という公共施設が、その持っているノウハウを活かし貢献している、また貢献できることは特筆する。



【所感

 公立図書館の役割は、今までの「貸本屋」というイメージ、役割から「市民・県民にとって役に立つ図書館」という流れの中、文部科学省が平成21年度に示した「望ましい公立図書館の在り方指針」に基づき鹿児島市立図書館でも新しい図書館運営基本方針を昨年度定め新しい段階に進んでいるが、「市民に役立つ図書館」という今日的課題の中では、今からの取り組みになっている。しかし、「市民に役立つ」といってもかなり抽象的で広範囲になるため具体的な取り組み事例を探していたところ先の月刊誌に第二回「地方創生レファレンス大賞」に岡山県立図書館が文部科学大臣賞を受賞したこともあり視察に行った。
 館長・副館長の説明と館内を、バックヤードを含めて丁寧な説明を受け、約二時間の視察であった。
 全国の県立図書館の中では、来館者数、個人貸出冊数が一位(平成27年度)図書購入冊数並びに図書購入予算ともに二位等県民の皆さんから評価の高い図書館でもある事が分かった。その背景には、非常に質の高い運営基本方針の下、具体的な数値目標を設定した取り組みと毎年の検証作業、図書館協議会での活発な論議、そして積み重ねのあるレファレンス向上対策、窓口業務の司書の全員有資格者採用等各面からの総合的な取り組みがなされていることが分かった。
 本市の市立図書館は、基本的な運営方針を定めたばかりであり取り組みが緒についたばかりではあるが非常に参考になった。参考になった点を以下期します。

1、 窓口業務の司書の全ての方々が、有資格者である事

2、 運営方針に基づく具体的な目標指標が数量的に充実している事

3、 今日的な、雇用の現状を背景に「仕事情報コーナー」が充実している事


4、 ハード面でも個人・団体の研究室や児童図書研究室等整備されている事


5、 バックヤードにおいても110万冊を要する集密書庫・40万冊を要する自動化書庫なども非常に充実している事



6、 月刊誌や雑誌を地元の企業の宣伝を兼ねて置いてあり、経費削減に努めている事


 鹿児島市立図書館も、今後各面から体制の見直しや目標の見直しなどをしながら、より市民に役立つ図書館を目指して議会からも提言をしていきたい。

 

 


2017年02月09日