◆ | 【視察期間】 | 令和6年8月7日 |
【場所・内容】 | 熊本市 竜之介動物病院 ・TNR活動について ・災害時のペット同伴・同行避難所等について | |
【調査都市】 | 熊本県熊本市 |
【出張者】 | 和 るりか ・ うかり ともえ |
【調査日時】 | 令和6年8月7日 (水) 15:00~17:00 |
【調査場所】 | 竜之介動物病院 |
【応対者】 | 竜之介動物病院 病院長 IT広報 九州動物病院 副学院長 教頭 |
【具体的調査内容】
◆ペット防災について
ペット防災について市から同伴避難場所として指定を受けている現況に至るまでの経緯、背景などについて伺いました。
まずは、防災意識を高める為にも避難所に対するマニュアル作成を行った。
市や県との幾度も協議を行い現在に至るとの事。
市が運営する水前寺競技場と運営の差がないようにしている(就寝時間や持参するものは同じ)
災害時の円滑な手続きのために、飼い主の方に「人とペットの防災手帳(マイ・タイムライン)」の常備をお願いしている。
これは、災害がおこりそうなときの自分や家族(ペット)の行動をあらかじめ決めておくもので、健康管理ページも豊富に用意されている。避難先や保護先で、持病やお薬・アレルギーなどについて、困った行動や複雑な性格などについて等記載されている手帳があれば健康管理、飼い主さんと動物たちの安全のために役立つ。
手帳の周知方法の一つとして、愛玩動物看護師で災害支援動物危機管理士の資格を持つ方がセミナーを行い、
「ひととペットの防災手帳」を、セミナー参加者に配布している。
(災害支援動物危機管理士とは、千葉大学が獣医療支援人材養成プログラムとして資格講座として行うもの)
竜之介動物病院と同ビルにある九州動物学院の学生、病院スタッフそれぞれが、同伴避難所運営ゲーム、避難所設営に使うテント設営の練習なども含めて訓練を行っている。
(テントは、コンパクトに収容でき、広げると大きくなるものを選択し、屋内用なので上部はメッシュ生地になっている。
ペット災害対策として日頃から準備することが大事。十分な水や食料の他、常備薬等も用意し、避難所や避難ルートを確認しておく等は人間の防災対策と一緒だが、いざという時に慌てないようにペットに基本的なしつけ(キャリーバックやケージに入れることに慣れさせておく、排せつ等のしつけ、ワクチン接種や寄生虫の駆除、マイクロチップ等)を日頃からしておかなければ、避難所への同時避難は難しいことも飼い主に周知しなければならない。
災害派遣獣医療チーム(VMAT)の結成の動きがあると2019年10月西日本新聞にも掲載されていたが、九州VMATの進捗状況は中々進んでいない。
鹿児島市は、火山があるので獣医師会を含めた推進委員会にて進めると同時に九州VMATでの連携があれば近隣からの応援なども要請しやすいなどのメリットがあると考えられる。
≪所 感≫
ペット所有者全国で約2割程度であり、ペットは家族の一員、もっと言えば社会の一員であるという認識がないため、ペット防災への理解を得ることが困難であると考えられる。
また、災害後、半年の間に去勢などを行わないと多く繁殖することが分かっているが、広く知られていないとの事。(熊本震災後に生まれた保護猫を30匹保護し譲渡していた)
ペット防災はペットだけのためではなく、ペットの周りの人に繋がる支援になる。
そして、ペットの有無に関係なく、防災意識を高めることが大切である。
【調査都市】 | 旭川市 |
【出張者】 | 森山きよみ・平山タカヒサ・まつお晴代 |
【調査日時】 | 令和4年11月15日(火) 10:30~11:30 |
【調査場所】 | 旭川市旭山動物園 |
【応対者】 | 旭山動物園 主査 旭山動物園 主査・飼育スタッフ |
【具体的調査内容】
1、 希少動物の確保について
園内の繁殖に努めている。
ケガをした動物を保護し、野生に返す取り組みとともに、展示する場合もある。
公益社団法人動物園水族館協会を通じて、動物園同士で情報交換を行いながら、国内の動物園と協力し、動物交換やブリーディングローンを行っている。現在、ホッキョクグマを札幌動物園に貸し出している。
海外については、各国の協会同士の情報交換を通じて、ブリーディングローンをユキヒョウやキリン、カバについて、ドイツやアメリカ、メキシコと行った。
2、新たに導入予定の動物を飼育するための予備飼育場の確保について
敷地については、十分確保されており、バックヤードは充実している。各飼育等において、病気などによる隔離、育児、予備スペースを、平成9年度からの施設改修に伴い整備してきた。
3、動物園経営における財源確保について
平成19年に「旭川市旭山動物園施設整備基金(愛称)あさひやま“もっと夢”基金」を設立し、幅広く寄付を募っている。基金残高は、約20億円となっており、希少動物の購入や新施設の建設、大規模な改修に活用している。
4、今後の課題について
借り受けている動物が、繁殖に成功した場合、その所有権は貸し手側にあること。
北海道の住民が、北海道にいる動物について、未知であることを克服したい。今年4月から「えぞひぐま館」を新設し、展示を開始した。ひぐまの生態を伝えるとともに、保全について考える機会にしたい。
来園してもらえることの大切さを、職員同士で共有したい。
≪所 感≫
希少動物の確保について、ブリーディングローンの活用により、比較的成功しているように感じた。敷地の確保も含めて充実した環境整備のたまものか。
財源についても、基金設置による効果が得られているようだ。マスコミで取り上げられ、人気が高いことが幅広い寄付を可能にしているものか。
飼育に関する研究については、獣医が個別に地元大学と連携し、年1回協会で発表する取り組みを行っているとのこと。自己研鑽にも取り組まれているようだ。
動物園の運営は、現在直営で行われているとのこと。飼育員は、一般行政職として市役所に採用され、動物園もひとつの異動先であるとのこと。説明した職員は、動物園勤務18年目とのこと。行動展示の取組を最初に行った動物園としての自負からか、職員の動物園運営に対する強い思いを感じた。
これらのことから、ハード面のみならず、ソフト面における取組も充実させることが持続可能な動物園運営には欠かせないものと考える。展示の充実が来園者の増加、ひいては新たなファンを生み出し、財政的にも協力を得られる仕組みづくりに取り組むことが大事だと感じた。
【調査都市】 | 川崎市 |
【出張者】 | 森山きよみ・平山タカヒサ・まつお晴代 |
【調査日時】 | 令和4年11月16日(水) 13:20~14:40 |
【調査場所】 | 川崎市役所 |
【応対者】 | 川崎市環境局生活環境部減量推進課 課長 川崎市環境局生活環境部減量推進課 指導係長 |
【具体的調査内容】
1、川崎市のごみ処理について
川崎市一般廃棄物処理基本計画の基本理念には「地球環境にやさしい持続可能なまちの実現」、基本方針には「市民・事業者・行政の共同により、エコ暮らしを実現しさらに3Rを推進」とある。市民にゴミ分別等の理解を得るため、広報において専門家からの意見を取り入れた「ナッジ」(行動科学に基づく手法)を活用していることが特徴である。
2022年度は第三期行動計画の初年度であり、食品ロスの削減は課題として掲げられている。2020年度の焼却ごみの組成調査では、「食品廃棄物」が7.9トン、うち食品ロスは約3.4トンと推計されている。
2、食品ロス削減について
①フードドライブについて
(現状)
「フードバンク川崎」と連携して各家庭で使いきれなくなった食品の回収をし、食料を必要とする家庭に届けている。
回収BOXは常時回収として環境減量推進課等、市内7カ所に設置。
また、月例としてゴミ相談窓口での回収、イベント回収も実施している。
食品の内訳は米、缶詰め、インスタントラーメン等が多い。
(今後の課題と取組)
さらなる認知度の向上と意識啓発。市政だより、市のHP等の活用とともに、コロナ禍で実施できなくなっていた環境関連イベントでの広報啓発をする。
今後、回収量が増加する場合の対応も課題である。引き渡しについて、他団体との連携も検討するが、団体はボランティア運営であり常にマンパワー不足、保管場所の課題もある。県社協との連携も視野にいれる。
事業者の食品ロスについては、問い合わせからフードバンクへの案内等をしていく。(マッチング的な作業となる)
②食品ロス削減協力店について
(概要)
食べ切りや少量売り等、削減に取り組む店舗を市のHPで紹介する。令和4年10月現在、登録は477店舗。
登録基準に令和3年度から「フードシェアリングの活用等による売り切りの取組」「フードドライブの実施、フードバンクへの食品提供」を加えたがまだこの基準での登録はない。
(課題と今後の取組)
登録による事業者のメリットがなく、登録件数が増加していない現状がある。市民の食品ロスに対する意識は向上しているので、更なる認知度向上により協力店のメリットを作る必要がある。市民が協力店を利用したくなる情報提供をする。登録店舗と連携した取組やイベント等で広報をしていく。
コロナによる閉店での登録店減少も課題。新規店舗オープンの際に積極的な登録推進をしていく。
③その他の取組について
▶小学校への生ごみリサイクル出前授業では、市から認定された生ごみリサイクルリーダーを派遣して、生ごみのたい肥化を長期にわたり実践。出来上がったたい肥は学校の花壇等で使用する。リーダーには派遣費用2000円を支出。年間二校程度。
▶市民への意識啓発としてリーフレットを制作し配布。
▶家庭用生ごみ処理機の購入費一部助成。
▶事業系生ごみリサイクル等協力事業者紹介制度。
≪所 感≫
施策のスタートのためには、実態調査が必ず必要である。川崎市の組成調査では、年に一回程度、ごみ収集車からの抽出調査をおこなっている。一台から人の手で分別して調査しているとのことである。
また、数年に一回は一般家庭(数世帯)からゴミの内容を調査しているとのことである。(委託)
本市においてもフードロス削減に向けて、なるべく早い時期に組成調査を含む実態調査が必要ではないか。
川崎市においてはフードバンク川崎との綿密な連携での取組が特徴的であったが、ボランティア頼みとなるため、今後、取扱数量が増えた場合の保管場所、引き取り先の問題等が課題となることから、施策のスタート時点から複数団体との連携をするべきではないかと感じた。
広報においては、ナッジの活用、南国料理人による「なるべく無駄の出ない調理」についての講演など、多彩で市民の耳目を引く取り組みは参考にし、本市での施策にも取り入れるべきではないかと思う。